クリーニング屋さんのアイロンは焦げない!?

クリーニングで仕上がりを決める大事な工程のひとつであるアイロンがけ。

お客様の大事な衣類を預かるクリーニング店では、家庭用アイロンでよくある“焦がし”や“火傷”はもってのほか!

さらに工場では、毎日たくさんの衣類を手際よくアイロンがけをし、ピシッと仕上げなくてはなりません。

そのためには、スタッフの技術力はもちろんですが、実はアイロンそのものにも秘密があります。

 

今回はそんなクリーニング屋さんのアイロンの秘密を紹介します。

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家庭用アイロンは180℃~210℃まで上がり鉄板は高温になるので、衣類を焦がしてしまったり火傷をしてしまったりと、注意が必要な作業です。

「アイロンは高温の方がシワが伸ばしやすいから、クリーニング屋さんのアイロンはもっと高温だろう」というイメージもあるかと思いますが、実はクリーニング屋さんのアイロンの鉄板は熱くはなりません。

触っても火傷をすることはありませんし、衣類を焦がしてしまうこともないのです。

 

では、どのうようにシワを伸ばしているのでしょうか。

ポイントは蒸気です。

 

 

そもそもアイロンでシワを伸ばす原理は、衣類に水分を含ませ繊維の中のバラバラになった分子を整えた状態で、高温で乾燥をさせることでシワを伸ばします。

まずは衣類に水分を含ませる必要があるので、ご家庭でのアイロンがけでは、霧吹きをします。

しかしクリーニング屋さんのアイロンにはその作業が必要ありません。

アイロンから120~130℃の強い蒸気が出るからです。
家庭用にも蒸気が出るアイロンもありますが、蒸気の出る穴も少なく、小さなタンクに入った水が蒸気になるので、蒸気も粒子が荒く少ししか出ません。

クリーニング屋さんのアイロンは、沢山の蒸気が出る穴があり、キメの細かい蒸気を出すことができます。

アイロン自体を温めるのではなく、高温の蒸気でシワを伸ばすので鉄板が熱くなくてもシワがしっかり伸びるのです。

 

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ジャケットのように着心地良くふわっと仕上げたい場合は、人体型仕上げ機などで仕上げます。

 

衣類の素材や形状、お客様の好みによって使用する機械や道具を変え、1着1着に合った方法で丁寧に仕上げています。